ワインと料理のペアリングとは?ソムリエエクセレンスが教えます!【基本編】
ワイン好きに伝えたいソムリエ・エクセレンスのフードペアリングの極意
(料理にワインを近づけ調和させる方法)
ブログにご訪問いただきありがとうございます。
変態なまでにワインを愛するソムリエエクセレンスの鐵屋です。
タイトルに「変態」を入れろといったのは、まぎれもなく、妻てつみです。
別に僕が変態なわけではなく、変態なぐらいワインの事を考えているということです。
さて、
「ワインを買ったけど、どんな料理にあわせたらよいかわからない!」
「このワインに合う料理はなんだろう?」
本日は、こんなお悩みにお答えしたいと思います。
あらためて僕が常日頃、レシピサイトでも実践している「ワインと料理のペアリング」の方法をお伝えしていきます!
おそらくここ数年間、ワイン会や普段の食事、すべてにおいてワインと食事のペアリングのことであたまがいっぱいの僕なので参考にしていただけると思っています。
ワインを愛するあなたの、ワインライフがもっともっと楽しくなるために!
料理とワインの相性を深めるには、まず料理をしっかりと考察します。
いきなりちょっと変態っぽいですよね。いいんですそれぐらいで。
まずどのような香りがあるのか確かめます。
口中での食感の強弱・味の濃淡・味の重心(重さ)や味の広がり方、余韻など感じもう一度残っている香りを確かめます。
ワインと料理のペアリングで一番大切なことは、原則として ワインを料理の主食材に合わせる ことです。
ソースや副菜はあくまで脇役と考えていきます。
抑えたいポイント4つを順番に見ていきましょう。
主食材とワインの質感と合わせる
例えば牛肉の場合は、それが柔らかいフィレなのか噛み応えのあるモモ肉なのか、部位で食感が変わってきます。
また肉の厚さや調理方法やサービス方法でも食感の違いが生まれます。
(柔らかい)<(硬い)
フィレ<サーロイン<ランプ
スライス<厚切り<塊
低温<高温
ソテー<ロースト<グリル
そのままお皿<切り分けてお皿
ここで大事なポイントは 主食材の咀嚼回数 です。
嚙み締めて美味しい肉は咀嚼回数が多くなり、大量の唾液が必要となります。
赤ワインの場合は咀嚼回数が多い部位を食べる場合、口中での滞在時間の長い渋みが豊富なボトル が最適になります。
つまり咀嚼回数で渋みの量が決まります。
肉の脂分で渋みの量を合わせるのではありません。
そして 主食材の食感 もしっかりと確認します。
滑らかであれば、滑らかな渋みを持つワイン、弾力が強ければ少しごつごつ感のある渋みを持つワインを選びます。
食感にマッチする渋みの質を近づけます。
赤ブドウ品種を渋みの特徴を確認しよう
渋みが豊富なブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、マルベック、タナ、ネッビオーロ
中間的なブドウ品種:メルロ、サンジョヴェーゼ、テンプラニーリュ、バルベーラ
渋みが少ないブドウ品種:ピノ・ノワール、グルナッシュ、ドルチェット、ガメイ、マスカット・ベーリーA
渋みの質感は?
滑らかな渋み=成熟度の高いブドウから造られたワイン(高級ワイン、温暖エリアのワイン)、熟成したワイン
がっちりした渋み=冷涼エリアのワイン、若いワイン、ブドウ品種
参考はローストビーフとシャトー・カルボニュー ルージュ2016年のペアリング記事です。
白ワインの場合には酸味(ミネラル感を伴う)で合わせます。
渋みと同じような考え方で、咀嚼回数は酸味(感じたい)の量、そして 食感は酸味の質 を見極めて料理に寄せていきます。
白ブドウ品種を酸味とミネラル感(+旨み)の特徴を確認しよう
酸味が力強いブドウ品種:シャルドネ(ブルゴーニュ)、リースリング、アシリティコ、
中間的なブドウ品種:ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリ、シュナン・ブラン、トロンテス
酸味が優しいブドウ品種:ヴィオニエ、ゲヴェルツトラミネール、ヴェルメンティーノ、甲州
酸味の質感は?
滑らかな酸味、緻密なな酸味=成熟度の高いブドウから造られたワイン(高級ワイン、温暖エリアのワイン)、熟成したワイン
がっちりした酸味=冷涼エリアのワイン、若いワイン、海の影響を受ける土着ブドウ
参考はタコのマリネとアルミ スラプサティリ 2017年 リララキスのペアリング記事です。
2.料理のうま味とワインの旨みの濃淡をわせる(果実味とボリューム+少し酸味)
主食材を意識しながら料理全体の味の濃さ(うま味)とワインの旨みである果実味の充実度を合わせます。
果実味の充実度にあわせてアルコールや酸味のヴォリューム感もあがってきます。
充実度で料理のうま味を受け止めます。
果実味の充実度ってちょっとわかりにくいのですが・・・
気ををつけるたいことは果実味が強すぎると料理と合わせた時、ワインを飲みこんだ後に料理の風味が戻ってきません。
料理に比べワインが強すぎることになります。
ワインの充実度が料理のうま味をに勝ってしまった失敗例
3.味わいの重心と広がり方を合わせる(ブドウ品種、テロワール・醸造による個性)
味わいの重心とは、口中でのうま味の位置になります。
かなり感覚的な話で難しいのですが、うま味の中心が口中のどの部分に位置しているか、その大きさや広がり方をみます。
喉の方(下方)に位置するのか真ん中に位置するのか頭の方(上方)に位置するのか、それが集中しているのか広がっているのか、動かないのか動きがあるのか。
これにワインの旨みの重心や広がりを合わせると、ペアリングの心地よさがまします。
ワインを飲んだ経験と記憶力が頼りになります。
みなさんも、ワインを飲む度に少し、意識されてみてはいかがでしょうか?
もしご質問などあればいつでもお問い合わせください!
僕の経験と知識から出来る限りお答えいたします。
煮つけのうま味の位置は?そして動きは?参考記事です。
4.香りの特徴(同じ香り=相性が良い)を探す
料理を考察するうえでまず初めに香りを確かめました。
これはワインのテイスティングと同じ順番のためです。
ペアリングを考える場合では、「この香りがあるな」と軽く捉える程度で大丈夫です。
例えばスパイス香りは大方の赤ワインに内在しています。
黒胡椒なのか、グリーンペッパーなのか山椒なのか、 ジュニパーベリー、オリエンタルなのか、具体的に捉えればワインがはっきりイメージできると思います。
そして、印象に残る香りを覚えておきます。
土の香りがすることもあります。
ハーブの香りもよく感じる香りですよね。具体的だとワインを選びやすいです。杉の香りだったり、ユーカリ、ミントなど・・・
スパイス同様にハーブの香りも具体的にとらえられればワインがはっきり見えてきます。
根菜(土の香り)=土の香りを持つブルゴーニュのピノ・ノワールの参考記事
こんにゃく(土の香り)=土の香りを持つピノ・ノワールの参考記事
すみません。
すっかりマニアックな内容になってしまいましたが、基本編なんです、まだ笑。
なんとなく伝わりましたでしょうか?
ペアリングの基本4つを参考にしてください。
口の中でワインと料理が混ざり合ったときに、心地良く美味しいバランスがうまれるように合わせることができたらいいですよね。
僕は日本ソムリ協会副会長・石田博さんの著書の一節を肝に銘じてワインを選んでいます。
「10種のぶどうでわかるワイン(日本経済新聞出版社)」(クリックするとアマゾンのページで詳細をご覧いただけます)
“料理をよく嚙みしめて、料理の風味が口中にいきわたるように食べます。続いてすぐにワインを飲みます。口の中がワインの味に変わります。飲み込んでしばらくして、料理の風味がまたよみがえってきたらよく合っているとなります。ワインが料理の余韻を伸ばしているのです。料理の風味がよみがえってこなければワインが強すぎるということになります。またワインや料理を酸っぱく感じたり、苦くなったら、その相性は良くなく、甘みが広がったら相性は素晴らしい、ということなのです”(一部抜粋)
料理とワインを楽しむとき、少し思い出していただけると嬉しいですね。
ただ、究極は、ワインを楽しんでいただければそれでOKです。
僕のようにあまりにマニアックだと、ちょっと迷惑かもしれませんが、適度にこだわりをもち、そのこだわりを楽しむというのは、混沌とし先が見えないこのご時世にはちょっと必要なのではないかと思っています。
みんさんの人生がワインで楽しく豊になりますように!
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた。