バレンタインデーには甘口ワインをおすすめします!

そもそもワインの「甘口」「辛口」とは

甘口ワインとは、

甘さの感じ方は個人差や、酸味(量)などとのバランスで少し変わりますが、人の官能的な感覚では1リッター当たり3~6グラム程度の糖分があっても甘く感じず、16グラムを超えると甘く感じていき、甘いなと思うレベルが50グラムを超えたあたりからになります。デザートワインのような極甘口は1リッター当たり200グラム以上の糖分が残っています。

辛口ワインとは

反対に、ワインの辛口とは本当に「辛い(味)」ものではなく、「甘く感じないもの」を辛口と表現しています。経験上、辛口ワインの中でも糖分が1~2グラム程度残っているものは意外と多く見受けられます。糖分が0(ゼロ)であるということではありません。

 

甘口ワインの種類

スティルワイン

スパークリングワイン

酒精強化ワイン

 

スティルワインは4種類

a) ブドウを遅摘みし糖分を残したタイプ(ドイツのシュペトレーゼやアウスレーゼ)

→ 一部の糖分をアルコールに変えず残すため、アルコール度数は少し低い

b) 貴腐ブドウを使ったタイプ(世界3大貴腐ワイン、フランスのソーテルヌ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、ハンガリーのトカイ・エッセンシア)

→ ボトリティス・ シネレア菌の影響で貴腐化したブドウのみを使う。ブドウの水分が少なく糖分が高い。

c) レーズン状に陰干ししたブドウを使ったタイプ(イタリアのパッシートワイン、ヴィンサント、レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ、フランスのヴァンドパイユ)

→ ブドウを乾燥せることで水分を蒸発させ、糖分が高くなる

d) 凍らせたブドウを使ったタイプ(ドイツのアイスヴァイン)

→ 融点の違いで、水分が凍った状態のままブドウのエキス分(糖分)を絞ることができる。そのため糖分が高くなる。

スティルワインの場合は、ブドウを完熟させて糖分は最大限高める。さらにボトリティス・ シネレア菌やブドウを干すことで、ブドウの水分が抜けて糖分が高まる。

または融点の違いで糖分の高い部分をブドウから取り出す。

 

スパークリングワイン

a)ブドウ由来の糖分を残した発泡性のタイプ(イタリアのモスカート・ダスティ、ランブルスコ)

b)糖分を加えた発泡性のタイプ(フランスのシャンパーニュ)

 

酒精強化ワインは2つ

→ アルコール発酵をとめてための加えるもので分けられます

醗酵途中にアルコール(ブランデー)を添加してアルコール発酵を止めて糖分を残すタイプ

(ポルトガルのポートやマデイラ、フランスのミュスカ・ド・フロンティニャン、バニュルス)

 

醗酵途中にブドウ果汁を添加してアルコール発酵を止めて糖分を残すタイプ(フランスのピノー・デ・シャラント)

 

 

甘口ワインの相場

¥1,000~¥100,000、本格的なボトルは¥6,000~¥15,000あたり。

スティルワイン、糖度が高いブドウは遅摘み(成熟して糖度が上がる、樹に生ったまま水分が蒸発して糖分の比率が高くなる)で収穫量が少ない、貴腐ブドウや凍るブドウは気象条件によるところが大きく安定した収穫は期待できなず、場所によっては収穫は奇跡的ともいえる(収穫量は僅か)。陰干しブドウなども水分が蒸発してしまうので収穫したブドウの総量が大きく減ります。通常のワイン造り使うブドウの量に比べると3分の1、5分の1に減ります。そのため「グラス1杯のワインにブドウ1本の樹を使う」なんて有名な言葉があります。高級ワインでも1本の樹から1.5~3本のワインをつくり、通常1本樹から5~10本も造れます。スティルワインの甘口は割高なってしまうことは致し方がない。

しかしスパークリングワインや酒精強化ワインはブドウを使う量が通常のものと変わらないことや、醸造法などから生産性が良く、前者は北イタリアのモスカート・ダスティなど、後者も南仏のミュスカ・ド・フロンティニャンなどエントリーワインがあり¥2000台から探せる。

 

甘口ワインのペアリング

① チョコ

→ 赤ブドウから造られるものが最適です。
酒精強化ワインなら上質な苦みとのハーモニーが楽しめるバニュルス(赤)、陰干しワインならレチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ(赤)、チョコやリキュールの強い風味でも受け止めてくれます。スティルは少し気を使いますが、若くフレッシュなソーテルヌ(白)が良いでしょう、その場合チョコにはクリームやフルーツを添えてください。

② フルーツ

→ 色々なペアリングが楽しめます、様々なタイプのワインで楽しんで下さい。
王道はソーテルヌで濃厚な甘みにフルーツのフレッシュな酸味がアクセントなります。フルーツに火を入れるとさらに相性が深まります。

③ タルト

→ 甘いバターの風味に寄り添い、ワインの風味で奥行きを出したいです
生地の甘いバターの香りと力強い風味には、樽を使った複雑なソーテルヌが最適です。少し熟成したボトルが良いでしょう。ワインの複雑味がタルトに奥行きをもたらしてくれます。

④ バニラアイス

→ ワインによって色々なペアリングが楽しめます。
少しビターなテイストがあるとアクセントとなるので、陰干しブドウのワイン(ヴィンサント)や深みのある貴腐ワイン(ソーテルヌ)がお勧めです。

⑤ フォワグラ

→ 王道のペアリングでいきましょう。
ソーテルヌが鉄板です。調理法で色々なワインを合わせられます。

 

木樽熟成を行うソーテルヌの貴腐ワインは幅広いフードペアリングの期待できます。

 

甘口ワインを飲むメリット

上質な甘みで癒される、楽しい気分になる。抜栓しても長い期間ゆっくりと楽しめる、毎日少しずつ飲むことができる。

 

当ショップの甘口ワインをおすすめします

シャトー・ギロー 2001 年 ゴージャスな香り、上質な旨味、長い余韻に圧倒されます
③タルトや④バニラアイスに最適です、②フルーツ⑤のフォアグラも良いでしょう

シャトー・クリマン 2016年 超一流の貴腐ワイン、ピュアでエレガントな甘みが癒します
一流なので①チョコにも寄り添います、②③④⑤すべて上質なペアリングが期待できます

シャトー・ドワジ・デーヌ 2013年 目の前がぱっと明るくなるような華やかな味わいです
⑥ フォアグラのテリーヌが最適です。デザートでは③タルトが良いでしょう。