こんにちは、ソムリエ・エクセレンスの鐵屋です。
今日は、頂き物の夏の太刀魚で、男飯です。
魚料理と白ワイン、意外と難しいペアリング?!
「魚料理とワインは難しそう」
「魚料理にブルゴーニュでしょ?」
「魚料理に白ワインを合わせてみたけど、やっぱりちょっと生臭く感じるのだけど」
魚料理を家庭で、しかもワインをあわせるのは思いの外、難しいと感じている人も多いのではないかと思います。
そこで、今日は、ちょっと「生臭くならないようにワインと合う」ように太刀魚を料理してみようと思います。
神奈川県は湘南逗子で育ち、釣り好きだった父の影響で、完全に毎日釣りをしている少年でしたね。
ほぼ毎日のように、釣り竿をかついで海に出かけていました。
そして釣ってきた魚をたべて育ったようなもの。
僕は、魚屋でも料理人でもない、ただのワイン野郎ですが
魚好きです。蟹ばりに無言で夢中で食べる笑
ということで、今日は釣りあげた魚(僕ではないですが笑)に敬意を払い、美味しくワインとペアリングさせます!
今日使うワインは、、
今回は過去3ヴィンテージ使っているTetsuya Wine Selections の定番キュヴェ
サンセール ラ・シャセーニュです。
先日は野菜炒めでは新しく造り始めた単一区画の最上級キュヴェを使いました。
凄い可能性を感じるサンセールでした。
芯の強さ、潜在的なパワーに圧倒され、脳天直撃されました。
さて、太刀魚の料理ですが
太刀魚のふっくらした、しっとり白身の美味しさを最大限楽しみたいと思います。
そこで蒸す調理方法をネットで検索した結果
中華料理に決定!!!!!
あの脇屋シェフのレシピを見つけました。
これを参考に、釣りたて鮮度抜群の太刀魚で生姜蒸しをつくります。
太刀魚の生姜蒸し
材料
太刀魚切り身 100グラム
塩 ひとつまみ
こしょう 少量
※漬け込み用のたれ(すべて混ぜておく)
酒 小さじ1
醤 小さじ1
ごま油 大さじ1
水溶き片栗粉 小さじ1
生姜 みじん切り 大さじ1
ニンニク みじん切り小さじ1/2
青ネギ 小口切り 40g
材料は少し生姜を多めにしています。
また葱油がありませんので胡麻油で代用し、青ネギも少し多く使いました。
作り方(とても簡単です)
1 太刀魚に軽く塩胡椒をします。漬け込み用のたれは混ぜておきます。
2 いきなりポイント!!漬け込み用のたれに太刀魚を入れて、和えます。
今日のポイントです。蒸しあげる前のまさに、「生臭みを抑えるひと手間」です。
生臭みの原因でもある不飽和脂肪酸を酸化させないように、香り良い脂で膜をつくってあげるイメージです。
また酒を使うこと、水溶き片栗粉を打ち込むことでも油と同じように食材を包み、生臭みを抑えることができます。
太刀魚の素材感を際立たせ、生臭みを抑えるひと手間を余念なく行えば、OKです。
2 5分程度漬ければ十分です。お皿に並べ、鍋に蒸し器を置いて、皿を置き、5分程度蒸しあげれば完成です。
ペアリングのポイントは3つ
・太刀魚のしっとりした甘み
・生姜の香りと酸味
・青ネギの香り
太刀魚の鮮度が良いのでサンセールと心地よく楽しめます。
ここまで来たか、サンセールの超一級品です
クロード・リフォーの造るサンセール レ・シャセーニュ(白)2018年は落ち着きのある懐の深い白ワインです。
若いワインですが、すでに大人びた印象があります。
香りは熟したレモン、グレープフルーツ、オレンジブロッサム、ぴりっとする生姜のようなミネラル感、チョークのような少し鉱物的なニュアンスもあります。
味わいが抜群です。
透明感があり美しく、瑞々しい果実の旨みに溢れています。
そしてピュアな旨みが余韻とともに盛り上がってきます。
体に染みる美味しさ、いやー、参っちゃうね。
非常に緻密できめが細かく、どこまでも上質な味わい。
素晴らしいとしか言いようがありまません。
この感激感をどう伝えていいのか、伝わるのかな、、、
今日の料理とワイン、まず香りの中に同じ(よく似た)ものを感じます。
それは香りの主役・生姜の香りと、大地からのミネラル感(生姜に似た香り)です。
調理され生姜が加熱された香り、ワインからは生のままの香りに似ています。
とても相性が良い香りです。
そして青ネギの香りとソーヴィニヨン・ブランの清々しく響くアロマが心地の良いハーモニーを生んでいます。
味わいも絶妙に料理に寄り添っていきます。
ふっくら蒸しあがった太刀魚の食感に、非常に緻密できめ細やかな酸味とミネラル感が良く合います。
酸味がきめ細やか って不思議な感覚で、
サンセール レ・シャセーニュ2018年の素晴らしさを物語っています。
フレッシュでありながら練れた滑らかな味わい、タイトな酸とミネラルを上質な果実味が覆っています。
サンセールの果実味と酸味が太刀魚のふっくらした甘みを盛り上げ、
脂ののった美味しさを爽やかに余韻長く楽しませてくれました。
こういう白ワインがセラーに入っていると魚料理の際、最高に楽しめます。
今回は、釣りたての鮮度抜群を使いましたが、今日のレシピならスーパーの切り身でも十分に美味しく
料理していただけると思います。
みんさんの人生がワインで楽しく豊になりますように!
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
今日のおまけ
『なぜワインと魚料理は生臭くなりやすいのか?』
科学的にワインとのペアリングは魚の不飽和脂肪酸とワインの鉄が反応して生臭みが出てしまいます。
魚がよほど鮮度が良いものでない限り、残念ながら普通にワインと合わせると生臭くなります。
これはなんとなく覚えていると、調理のひと手間を加えることが苦ではなくなりますよ!
不飽和脂肪酸は魚の酸化によって増えていきます。
酸化させないことが大事です。
今回はごま油でコーティングすることで調理中の酸化も防げたかなと・・・
美味しければオッケーなんですけどね。